子どもたちは、ときどき、
よくわからないことを言います。
みなさんも、ありませんか?
「それ、どういうこと?」と聞いても、
さらによくわからない答えが返ってきて、
でも、なんだかおもしろくて、
ついもう一回聞いてしまう、あの感じです。

コドモエホンは、
子どもたちと絵本をつくる活動なのですが、
そういう「よくわからない話」が、
しょっちゅう出てきます。
「むかしむかし、あるところに——」
って私が話し始めると
「あるところは、ローソンだ!」
と返ってきました。
ローソンには、
なぜかチョコレートのおじさんがいるようで、
そのおじさんが何をしているのか聞くと、
さらによくわからないことを言い出します。
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でも、そのよくわからない感じが、
妙におもしろくて、
つい、もう一つ聞いてしまいます。
そうやって、
ぽんぽん質問していくと、
気づけば、ひとつの物語になっています。
これが、コドモエホンのはじまりです。
もともとは、
家で絵本を読んでいたのですが、
だんだん飽きてしまって、
気がついたら、
子どもに質問ばかりするようになっていました。

絵本を買わなくてもいいので、
経費の節減にもなって、
しばらくこの方法でやっていました。
そのうち、
「これ、普通におもしろいな」と思って、
少しずつ形にしていくようになりました。
2016年には、
仙台で「コドモエホン」として活動をはじめ、
これまでに7,000人以上の子どもたちと、
絵本をつくってきました。
地下鉄の広告が絵本で埋まったり、
美術館で展示をしたり、
気がつけば、海外でもつくるようになっていました。

でも、やっていることは、
最初からあまり変わっていません。
子どもに聞いて、
子どもが答えて、
それをつなげる。
それだけです。
正直に言うと、
立派なミッションとか、
かっこいいビジョンとか、
そういうものは、あまりありません。
ただ、
子どもが、
「このえほん、わたしがつくったんだよ!」
と、大好きな人に、
ちょっと自慢しながら言える。
その時間があれば、
それでいいと思っています。
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子どもが子どもでいられる時間は、
思っているより、ずっと短いです。
あとから同じものをつくろうとしても、
たぶん、もうできません。
だから、
そのときのへんな話や、
意味のわからない世界を、
そのまま絵本にしています。
ちなみにですが、
よく「子どもの純粋な気持ちがあふれた、素敵な絵本になるんでしょうね」
と言われることがありますが、
ぜんぜんそんなことはありません。
「えっ?」「なにこれ?」「どういうこと?」
みたいな話が、けっこう多いです。
でも、それも含めて、
子どもの世界なんだと思います。
大きな心で、
できれば、海くらいの広さの心で、
楽しんでいただけるとうれしいです。
